日蓮聖人にまつわる不思議なお話

虚空蔵菩薩と凡血の笹(清澄寺)

 出家した蓮長(日蓮聖人)は、当時日本には各宗の教えが広められているが、その肝要を知らなければ仏陀の本意を得ることが出来ないので、「日本一の智者となし給え」と、智慧と福徳を授ける本尊虚空蔵菩薩に願をかけ、21日不眠不休の行をしました。

 そして21日満願の日、「生身の虚空蔵菩薩より大知恵を給はりしことあり、・・・・・明星の如くなる大宝珠を給りて右の袖にうけとり候」(清澄寺大衆中)と、虚空蔵菩薩から智慧の宝珠をいただいたそうです。

 満願の朝、血をどっと吐き、あたりの笹をまっ赤にそめて倒れました。しかし自身は疲れもなく心身爽快で、あたりが明るくなった感じに。これは虚空蔵菩薩のご利益で、凡夫の不浄の血を吐いて清浄な身となられたのでしょう。この地に生える笹の葉に斑点があるのは、この血のあとで、「凡血の笹」とよばれています。

 このことがあってからは、一切経を見るとどんどん頭に入ってきて、その内容や勝劣が手に取るようにわかるようになったといわれています。

 

日蓮聖人が産声を上げた時

 突然家の庭先から清らかな清水が湧き出しました。これを誕生水といいます。近くの砂浜では、ときならぬ蓮華の花が浜辺一帯に咲き誇りました。以来、この砂浜は蓮華ヶ渕と呼ばれています。海面近くには、マダイが群れをなして現れたそうです。

 

大正11 天然記念物

昭和42 国指定特別天然記念物

日蓮聖人ご生誕の際に大小鯛が群れ集う等、数々の奇蹟を目の当りにしたこの土地の人々は、以来700年以上もの間、鯛の浦を聖地として守り続けています。日蓮聖人の化身とされる鯛の泳ぐ様は鯛の浦遊覧船から間近に見る事ができます。

 

日蓮聖人の母が息をひきとった時

 日蓮聖人は母の安否を気遣って、小湊を訪ねましたが時すでに遅くたった今息をひきとったことを知らされました。直ちに蘇生祈願の曼荼羅を図顕し、至心に法華経を読誦して母の蘇生を祈ると気息を整えて蘇生。その後4ヶ年延寿されました。

 

*上記のお話は、数ある中の一部です。

 まだまだ不思議なお話はたくさんあります。